2016年12月9日金曜日

中坊進二の京都ひとり旅、光悦寺を訪ねて

"中坊進二が京都を訪れると決まって訪れる寺社がいくつかあります。その中で、京都北区鷹峯にある光悦寺は、中坊進二のお気に入りの寺社です。 この寺はその名の通り、江戸時代の文人・本阿弥光悦が庵を立てたことが始まりの寺です。寺社としての規模は小ぶりでですが、逆にその様が広大な寺領を誇る寺院群とは対照的に、ひとり旅の身には心地よい古刹です。 山門をくぐると、まっすぐな石畳がすっと本堂へ向けて伸びています。格子模様の石を踏みながら、左右には紅葉の並木が連なっており、秋になれば鮮やかな錦秋が実に美しいものです。新緑の季節もまた然りであり、今度は新緑の萌が目に心地よく、人いきれから逃れホッと息をつくことができました。小ぶりの本堂を抜け、この寺の見所である庭園に向かいました。この庭園もまた素晴らしく、光悦垣と世に有名な竹の柵が庭園をしきり、その合間合間に大虚庵を始めとする茶室が点在しています。庵の数は全部で七つあり、文人であった光悦らしく、簡素でありながら一つ一つに得も言われぬ趣があります。一つの庭園というよりは、小道に点在する茶室を訪ねて歩くというイメージがぴったりでしょう。こうした点も、光悦寺が他の寺社と趣を異にする一面なのだろうと思わせてくれます。また庭園の途中には物見の岩があり、そこから眺め下ろす京都の街並みは、千数百の年を経てなお変わらず、しかし変わりつづける光景。かつての人々もこうして変わりゆく風景に思いを馳せていたのでしょう。 しん、と静まり返った境内は心を落ち着け、優しくしてくれる場所です。 中坊進二が光悦寺を訪れるのは、大概決まって春か秋ですが、今度は雪に染まった世界もぜひ見てみたいものだと感じました。"

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