2017年2月6日月曜日

京都、化野念仏寺。中坊進二の思い出

"中坊進二は、まだ独身で若いころ、5年間ほど京都に住んでいました。よく嵯峨野方面にも行きましたが、化野念仏寺には行ったことがありませんでした。だいたいの寺まわりはしましたが、化野は、よく映画撮影の場所になったり、歌になったりで、あまりに有名すぎるうえ、交通の便が良いとは言えないためだったのかもしれません。 結婚して、数年たって、ある秋の日に、配偶者に京都案内を頼まれ、化野念仏寺を初めて訪れました。自家用車で行ったため、公共の交通機関では多少不便な、大原や嵯峨野に行くことができました。 化野の竹林は有名ですが、渡月橋、大沢の池などを散策したとき、確かに竹林が多かった記憶があります。車を置いて竹林の遊歩道から念仏寺に着いたのは夕方近かったと記憶しています。 とても驚きました。何で、長い間京都に住んでいた中坊進二が、ここを訪れなかったのか不思議に思いました。中坊進二が若かったころに、ここに来ていれば、人生観も変わったのではないか、という思いでした。 肌寒い夕暮れどき、参拝時間締め切りぎりぎりという状況もあったのでしょうけれど、無数に思える石仏と石塔が何かを訴えるようで、その雰囲気に圧倒されました。所謂、無縁仏だということが尚更、時間の流れと人の生きることの無常さを感じさせました。 化野という意味は、仏教用語で、はかなさを示すそうです。同時に、生まれ変わりを意味するそうです。 おそらく、この景色を見て、その歴史を見聞した人にとって、生きることの尊さを理解することが、京都を訪ねた貴重な思い出になるでしょう。"

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